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2022/6/16~6/18 日光への旅
1日目 霧降高原
自宅6:02-(JR普通)-8:11栗橋8:29-(東武普通)-10:06東武日光
東武日光10:27-(東武バス)-10:54霧降高原
霧降高原11:00[10:56]  - 11:45 [11:54]小丸山(昼食) 12:45[12:26] - 13:15 [13:04]丸山

1) 日光の山旅の連載です。盛りだくさんだったので最後まで行きつかないかもしれませんが、少しずつ紹介します。日光の山旅と言えば、白根山でしょうがまだ残雪もある。梅雨期は気象が安定せず、かつて平標山のハクサンイチゲを見に行ってえらい目に遭ったことがあります。なので小雨でも戦場ヶ原なら、大雨なら、ひがな一日温泉という覚悟だったのです。ところが天気予報はそう悪くない。山渓の図鑑「野に咲く花」「山に咲く花」の著者の一人である菱山忠三郎さんの「野の花の旅」を愛読しているのですが、「日光周辺には植物を見ながらゆっくり散策できるところが多い。戦場ヶ原、湯ノ湖、金精峠、菅沼・丸沼、そして刈込・切込湖」と並べられ「霧降高原は、リフトの乗り継ぎでキスゲ平の山上まで行けるので、最も楽な場所だろう」とあり、1日目・霧降高原、2日目は刈込・切込湖、3日目が戦場ヶ原という計画を立てたのでした。いずれも山に登るルートもとれる。それぞれプチプチ登山、プチ登山、プチプチプチ登山という感じですが、これに社寺・史跡も加えて充実した山旅になったのでした。いつものことながら、つい詰め込み過ぎなのですが。■まず1日目は霧降高原です。日光駅からバスで30分と近い。これが入口の写真です。観光客がたくさんきていました。リフトはどこにあるのでしょうか。 
2) 霧降高原の入り口はキスゲ平と呼ばれています。ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)の名所です。ニッコウキスゲは高山植物の中では標高の低いところによく生えていますが、日光に多く自生するということでこの名があるようです。群生地としてはこのキスゲ平が有名です。写真から判るように、ここはスキー場の跡地。その草地を手入れすることでニッコウキスゲの名所になったようです。どうも補植もしているようです。残念ながら、まだ時期が早くて開花はしていませんでした。そしてリフトはどうなったのでしょうか。スキー場廃止後しばらくはニッコウキスゲのために運行していたようですが、いまは撤去されたとのこと。その代わりに、木道の階段がありました。 
3) この階段が半端ないです。1445段もあります。登山道よりかえって疲れるような気もしますが、雨でも安心ではあります。スニカーでも大丈夫だし。スキー場の跡地の利用方法として、うまいこと考えたと思います。各地にスキー場跡地が無残な姿をさらしているところが多いなかで、里山が人の手が入ってこそ豊かな生態系を保っているように、こういうかたちで半自然を保つのも手かなと思いました。ところでここ、入園料があってもよさそうなのに無料です。日光市が経営しているんですね。さて、ここにはどんな花が咲いていたでしょうか。(2022/6/20)
 7) 霧降高原キスゲ平は、7月になると黄色いニッコウキスゲが咲き乱れるといい、さぞかし壮観でしょう。それだけでなく、他の様々な花が見られると聞いていたのですが、うーん、ほとんど咲いていませんでした。ただ、斜面の下の方にだけ、この白い花ばかりが咲いていたのでした。これは何の花でしょうか。近づいてみましょう。 
8) これはカラマツソウです。前々週の三ツ峠で、このカラマツソウっぽい花を見つけ、判断が付きかね、本物のカラマツソウを見たかったので、うれしかったです。カラマツソウにもいくつか種類があるのですが、こちらはカラマツソウで間違いなさそうです。 
9) カラマツソウという名は、白い花が、カラマツの葉に似ているからつけられた、というのですが、カラマツってしっかりと見たことがありませんでした。幸い、日光周辺はカラマツの自生地なので、カラマツを探したらすぐ見つかりました。この写真は翌日、刈込湖で撮影したものですが、併せて紹介しておきます。確かに、色違いですが、カラマツソウの花に似ています。(カラマツ他の針葉樹の観察も今回の狙いだったので、のちほどまた詳しく紹介します)(6/21)→カラマツソウ
10) 霧降高原キスゲ平の1445段ある階段をぐいぐい登ります。登り始めが標高1,345mで、一番上が1,582mとなります。1000段を過ぎるあたりから、霧が出てきました。左の方に階段が見えるでしょうか。そもそもなぜここを登るのでしょうか。というか登るための階段を設置したのでしょうか。もちろん展望がいいからです。雲海が見えるとかいろいろ宣伝されています。しかし、これでは。。。
11) 登り終えました。しかしというか案の定というか、全く視界はゼロ。それでも皆さん、ここまでスニーカーで登ってこられるんですね。ご苦労様です。しかし、私にとってはここからが本番で、ここが登山口となるのです。
12) 左へ行くと女峰山です。男体山と太郎山ともに日光三山(夫婦と長男)と呼ばれます。ここが一番登りやすいルートみたいですが5時間かかります。右が目的地の丸山への道です。こちらは降りる時間を含めて2時間もかかりません。しかし、この濃霧だとどうするか。まずは昼飯だ、と弁当を広げます。(6/22)
13) 標高が1,582mの一応ピークともあれば、天気はころころ変わるものなので、霧が晴れることを期待しましたが、弁当を食べ終わっても全然かわりません。この日は眺望は諦めようとカメラのレンズをマクロに付け替え出発です。野草や樹の撮影に専念することにしました。この写真に写っている植物だけでも普段は見かけないもの(近所の山はおろか伊豆や丹沢の山でも)ばかりです。のちほど紹介するつもりですが、ササはミヤコザサ、樹はダケカンバが多いようです。少し登ると針葉樹、それもコメツガが多くなります。翌日の刈込湖でも植生は似ていました(もっと立派な森でしたが)。林床のミヤコザサの豊かなことが共通して特に目を惹きました。
14)15) ミヤコザサとダケカンバの森
16) ミヤコザサとダケカンバの森を抜けると、岩場の急登となります。こういうのが好きなのです。こういうところでもミヤコザサがしっかり生えています。このあたりからコメツガでてきます。あとももう花はほぼ終わっていましたが、ヤシオツツジ(シロヤシオとアカヤシオ)も多いです。
17) そして頂上です。見事に全く視界がゼロ。ここからの展望は素晴らしいらしいのですが。しかし、雨が降らず、風もほとんどなかったことは幸いでした。この標高で、樹がないというのは、相当に風が常に当たるからだと思われます。
18) 一応、ピークハントの証拠写真です。次回は、この間に注目した樹木と野草を紹介する予定です。(6/23)
19)今日は、霧降高原の丸山の森に咲いていた花を紹介します。濃霧の岩場を含む山でひと際目立っていたのがこの黄色い花。接写だと霧は写らないです。これはキンポウゲの仲間です。近所の森ではキツネノボタンはよく咲いているのですが、それよりずっと美しいです。キンポウゲはキタダケキンポウゲとかヤツガタケキンポウゲとか多くの高山植物があるのですが、咲いていたのは岩場ではなくて、土のあるササの生えている場所。これは低地の草地でもよくみられるという狭義のキンポウゲでしょう。正式名は、ウマノアシガタといいます。調べているうちに北岳や八ヶ岳に行ってみたくなりました。
20) せっかくだから、ウマノアシガタをアップで。しかし、見れば見るほどこれはもしかしたら、亜高山帯に生えるというミヤマキンポウゲかもしれません。この両者の区別は、相対的なものでしかなく決め手は生息地。ここは亜高山帯でしょうか。コメツガがあったということは亜高山帯と言ってもいいです。やはりミヤマキンポウゲなのかな。近ければ明日確認しに行きたいところです。(6/24) →キンポウゲたち

21) 霧の霧降高原の丸山の森を見上げるといろいろな花が咲いていました。野草より樹の花の方がいろいろ楽しめました。写真は頂上に近い地点で、相変わらず濃霧です。上の方の樹はドウダンツツジのようです。しかし高すぎてこれはパス(この時、手にしていたのはマクロレンズ)。下の方は、この写真だと見にくいけど白い花がたくさん咲いています。これは何の花でしょうか。
22) これはシロヤシオです。白いツツジですね。地元の丹沢に多くてなじみ深いのですが、全国的にはあんまりみかけないかもしれません。この日、咲いているのを見たのはこの樹だけですが、葉を見た限りシロヤシオの樹は多かったです。アカヤシオの葉もほぼ同じなのでアカヤシオかもしれません。落ちていた花も多かったので時期的にはほぼ終わりかけのようでした。最盛期には、森が真っ白か真っ赤に染まるのかも知りません。
23) シロヤシオの花。清楚な感じですね。(6/25)→シロヤシオ
24)25)感想を書かなければならない読了本が溜まってしまったのですが、もうこんな時間。夏山計画に時間を使い過ぎたなあ。何を先に済ませるか悩んだ末に、日光を先に。始めてしまった以上最後まで到達させねば。霧降高原の丸山を降り始めてもまだ、霧の中です。このあたりはダケカンバの森です。翌日の刈込湖に、もっと美しいダケカンバの森があったので、そちらで詳しく紹介しましょう。このあたりもミヤコザサが一面茂っているのが印象的です。 
26)ダケカンバの森を抜けると、草原に出ました。八平ヶ原というようです。ここは余り情報がなくで、どんな草原かと思ったのですが、一面すべてミヤコザサのようでした。花は、、、ないなあ。ここは、展望も良いらしいのですが、この天気では、ね。ここからは、下りとなります。ちょっと物足りないかなともおもったのですが、この下りがやっかいだったのでした。(6/26)
27)霧降高原の丸山から降り始めてすぐのところダケカンバ林のはずれに、色鮮やかにツツジが咲いていました。遠くにみえるのはレンゲツツジです。それより注目したのが、手前の樹の花です。手前にある樹に咲いているのはドウダンツツジのようです。この写真はピントが合っていないのですが、やけに紅色が濃いです。 
29) ウダンツツジは庭木にも多いですが花の色は白。サラサドウダンは薄紅です。サラサドウダンは亜高山帯でよく見かけます。先ほどキスゲ平の長い階段を登っていたときにも見かけました。しかし、この濃い紅色のドウダンは多分初めて見ます。調べてみるとこれはベニサラサドウダン。サラサドウダンの変種で、東北地方南部と中部地方北部の高地に分布しているとのこと。 
30) せっかくだから、こちらは普通のサラサドウダンです。キスゲ平に咲いていたものです。ドウダンツツジも改めてたくさんの種類があることを知りました。ところでサラサドウダンは漢字で書くと更紗満点星なんですね。(6/27)→サラサドウダン
31)32) 霧降高原のプチプチ登山の最後に待ち構えていたのは。。。霧降高原の丸山登山をプチプチと称したのは、結局4時間もかからず累積高低差も350mしかないからなのですが、しかし草原あり岩場あり晴れていれば展望あり、さらに花もあり、とコンパクトながらも登山の面白さが凝縮されていました。物足りなさは否めなかったのですが、最後の下りがとんだ曲者でした。よくあることではあるんですが、深くえぐれた大岩だらけの急傾斜の沢を下らなければならないのでした。こういうところは登山道の整備のしようがなく、危険個所にロープを張ったり絶対こっちには進むなという看板は親切なんですが、濃霧で回りがよく見えないこともあって怖かったです。少なくとも雨の時はベニサラサドウダンの咲いてた八平ヶ原からUターンした方がよい、と忘備録にしておきます。 
33) 34) 霧降高原の終バスが早くて、16時前には日光駅に帰着。ホテルにチェックインしてから、せっかくの日光だから世界遺産の「日光の社寺」に向かいます。しかし東照宮をはじめ参拝時間は17時まで。間に合いそうもないけどまあいいやと、バスで二荒山神社に直行です。あれあれ、巫女さんが掃除を始めています。日光と言えば東照宮ですが、もともとは日光山(男体山)の修験の霊場として栄えた地。奈良時代末期の開山伝説(勝道)は有名です。山頂に祀られたのが二荒山権現です。補陀落山の転訛だといいます。鎌倉幕府によって保護されたが、秀吉の小田原攻めとともに北条氏の味方をしたため荒廃、家康により復活したという歴史あります。だから、日光と言えば二荒山神社なのです。ここがその本社。しかし掃除が始まっていては参拝できる雰囲気ではない。さあどうするか。 
35)36) 二荒山神社本社の横に別院の滝尾社に続く道がありました。滝尾社はかなり遠そうなのですが、まだまだ明るいので、これを進んでみたのでした。そしたら「女峰山へ」という指導標もありました。調べてみると山頂まで片道7時間もかかるようです。日光修験の修業の道だったのでしょう。行けるところまで、行ってみましょう。(6/28)
37) 二荒山神社の別院滝尾社へは手元の地図だと40分ぐらいかかりそうでした。観光地図は持っていなくて、定番の登山地図(「山と高原地図 日光」)です。女峰山への登山道になっているので所要時間が書いてあったわけです。さすがにそこまで行くつもりはなかったのですが、この辺りは世界遺産の登録区域内なので、次々に立派な説明看板付きの史跡が登場。日光山を開山した勝道を導いた「空烟地蔵」とか、修験の修行場の「行者堂」とか、そしてこんな滝とか。これは白糸の滝というそうです。修行の場と伝わるというが、それにしては小さいかな。 
38) いろいろな史跡が登場するものだから、つい引き返す機会を失ってしまい、いつの間にか滝尾社に着いてしまいました。さすが別院っていう雰囲気です。ここも世界遺産登録。ただし、参拝時間は特にないようで、自由に参拝が出来ました。
 39) 二荒山神社の別院滝尾社の境内は広くて、残された建物や史跡も多く修験で栄えていた往時を偲ぶことが出来ました。近くに大きな駐車場がありましたので、車で来られる方が多いのでしょう。西参道入口から40分ぐらいなので歩いてくるのも乙なものだと思います。このあと日光駅前のホテルまで歩いて戻ったのでした。それでも18時半にはなってなかったですが、バタン・キューでした。翌日は今回のメインの刈込湖、行ってみたら見事な亜高山帯森林の旅です。 (6/29)
40)[速報版]今回の山旅は日光。小学校の修学旅行以来、何度か来ているが全て団体旅行。それも何十年前だ。雨でも楽しめそうな野草と樹の花巡りとして好適と考えた。とは言え日光にきて寺社に行かない訳にも行かない。17時が過ぎ東照宮の参拝時間が終っているが二荒山神社は外せない。女峰山の登山道を通って別院の滝尾神社へ。これは本殿の裏。初めて知ったが扉がある。ご神体の女峰山をこの扉から眺めるためという。女峰山はしかし雲の中だった。(6/16)
41)[速報版]滝尾神社のご神体は女峰山だけでなかった。さらに奥にはご神体の三本杉が。これは神々しいです。日光は家康だけではなく、その前から長い神々の歴史があったことを実感した。明日は奥日光へ向かいます。(6/16)

 


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